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毎週月曜日更新 広沢タダシの週間エッセイ
2014.12.31 Wednesday

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2014.12.31 Wednesday
 今年の夏頃でしたでしょうか、「百年の孤独」という小説を読み始めました。ノーベル文学賞作家であるマルシア・ガルケスさんの代表作ということで、少しボリュームがあるものの、そこに何があるのかを確かめたかったからです。
 あれから半年が経ち、今日はもう大晦日です。あれからいくつも小説は読みましたが、「百年の孤独」だけは読了していません。なんということでしょうか。半年かかって一冊の本を読み切れないとは、私らしくありません。
 しかし、この本は元々スペイン語で書かれたものを翻訳していて、その翻訳がとても読みにくい。あまりにも直訳的でセンテンスが長いのです。それに、登場人物の名前がややこしくて覚えにくい。試しに登場人物を一部紹介してみましょう。
 ホセ・アルカディオ・ブエンディアとウルスラ・イグアラとの間に産まれた男子がホセ・アルカディオとアウレリャノ・ブエンディア。この二人が前半の物語を進めていきます。そしてアマランタとレベーカという女子が前半のキーを握っています。その後、ホセ・アルカディオとピラル・テルネラとの間にアルカディオが産まれ、そしてなんとホセアルカディオの弟であるアウレリャノブエンディアも、ピラル・テルネラとの間にアウレリャノ・ホセをもうけます。このアウレリャノ・ブエンディアは他の女性との間に17人の子をもうけ、その17人はなぜか雑に「17人のアウレリャノ」と呼ばれます。さらにホセ・アルカディオとピラル・テルネラの子供であるアルカディオは、サンタ・ソフィアとの間に、ホセ・アルカディオ・セグンドとアウレリャノ・セグンドという双子をもうけました。
 今現在私が読んでいるのは、アウレリャノ・セグンドとその正妻であるフェルナンダ・デル=カルピオとの間に産まれたレナータ・レメディオスが学業を終え、自堕落な生活に堕しているところです。
 こうなってくると誰が誰だか分からなくなるし、突然出て来た「メメ」という人物が誰なのかはどうでもよくなってきます。読み返せばメメがレナータ・レメディオスであることは分かるのですが、この作品において大切なのは人の名前ではありません。
 ブエンディア一族がマコンドという村を創設し、隆盛を迎えながらも滅亡するまでの100年間を舞台にしたこの小説。無数の挿話と隠喩を畳み掛けてきます。一つの断定的な答えなどないし、「で、どうなった?」という結果も重要ではない。その途中に答えはあるし、物語全体にもある。日記のような物語とは対極にある、想像力を必要とする作品。だから登場人物の名前を覚えているからといって、偉くもなんともないのです。
 あぁしかしこれはいけない。一つだけ訂正しておきます。この小説の著者は、マルシア・ガルケスではなく、ガルシア・マルケスでした。この調子だと、読了までにあと九十九年はかかりそうです。




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